最近の女性名は?

(1) 最近の女性名は?

 

 現在、女性のうち2人に1人は[子] がついています。でも、ピークでは女性の5人に4人に[子]がついていました。[子]のつく名前は減り続けています。

 最近生まれた子どもはどんな名前でしょう。明治安田生命『名前ランキング2017』で「女子読み方ランキング」の上位50位の名前は

 サクラ ユイ アカリ メイ ハナ サナ リオ ヒマル コハル アオイ ホノカ リコ ミオ サキ ミユ イチカ リン エマ

 ツムギ ユイナ サラ ヒナ イロハ カホ ヒナタ ヒカリ ハルカ カンナ モモカ ユア ユヅキ ユウナ シオリ ユナ

 ナナミ コトハ ユウカ ミサキ アンナ スミレ アイリ リノ ミツキ カノン ヒナノ ヒヨリ リンカ ユイカ レイ リナ

 

 むかしは[こ]で終わる名前が多かったのですが、最近の女性名は、何で終わる名前が多いのでしょう。上の50の名前の最後の文字を見てみると、

 1位[〜ナ]→9(ハナ, サナ, ユイナなど) 2位[〜カ]→7(ホノカ, イチカ, ハルカなど) 3位{〜リ]→5(アカリ, ヒカリ, シオリなど)

 4位[〜キ]、[〜イ]→4  

 

 私は、2005年生まれの女性200人の名前データを持っています。幼稚園・小学校の卒業生名簿などから集めたものです。そこから、何で終わる女性名が多いか見てみると、

 1位[〜ナ]→28(14%) [〜カ]→28(14%) 3位[〜ミ]→18(9%) 4位[〜キ][〜イ]→15(7.5%) 6位[〜リ]→14(7%)

 7位[〜コ]→9(4.5%)

 

 やはり[〜ナ][〜カ]で終わる名前が多いようです。

   [〜コ]も9名います。[〜子]が5名(2.5%)いる他に、[にこ][華那心][莉心][莉胡]と、字をかえて[コ]と読ませている名前も4名(2%)あるのです。

 

 それでは、名前の最後はローマ字で書くと、a,i,u,e,oのどれが一番多いでしょう。「200人の名前データ」を見てみると

            1位[〜a]→79(39.5%) 2位[〜i ]→69(34.5%) 3位{〜0]→28(14%)  4位[〜u]→13(6.5%) 5位[〜e]→10(5%)

上位50位からの例  サクラ     ユイ          リオ        ヒマル          (なし)

 

 [〜a]が多いのは、「名前の洋風化」と言えるでしょう。ヨーロッパ(特にラテン系)の女性名は、最後が[a]で終わる名前が多いです。例えば、私の友人でブラジル人女性29名の名前を列記してみます。25名(86%)が[〜a]です。

 Leina  Luciana   Mariana   Marjory   Claudia   Karen   Jessica   Erica   Jamile   Fabiana   Veronica  Katiucia  Alessandra

   Aline   Cintia     Vanessa  Carla   Karina   Karina  Sandra   Fernanda   Suzana   Andrea    Maria  Paula  Layra  Camil

   Patricia  Sandra

 

 リオ五輪(2016年)の女子サッカーのブラジル選手18名にも[〜a]の名前の選手が12名(67%)います。

 BÁRBARA  ALINE MÔNICA RAFAELLE  ÉRIKA BRUNA POLIANA TAMIRES  FABIANA THAÍSA  FORMIGA ANDRESSINHA  

 MARTA  CRISTIANE  RAQUEL BEATRIZ ANDRESSA  DEBINHA  

                                  ( https://selecao.cbf.com.br/noticias/selecao-feminina/olimpiadas-2016-confira-a-ficha-tecnica-das-18#.WvuO0C-KXu4  より)

 「ブラジル人の女性名の過半数は[〜a]である」と言ってもいいでしょう。

 最近日本では、さらに読みにくい名前が多くなっています。それはインターネットでの検索が容易になったことによります。

 右のグラフを見てください。これは、「日本のインターネット普及率(*)」を表したものです。日本では2000年以降、インターネットが普及します。2002年には「人口普及率」が50%を越えます(現在は、インターネット利用者が1億人を越えています)。コンピュータで検索できるようになり、呼び方は同じでも、多種多様な漢字の名前が増えたのです。

 

 将来はどうなるでしょう。さらに洋風化がすすんで[〜a]が増えるのでしょうか。あるいは[〜コ]が復活するのでしょうか。また外国人が増えてくるような気もします。いずれにしても、さらに多様化・国際化・個性化がすすむことはまちがいないでしょう。

 

 (* 総務省『情報通信白書(平成22,26,29年版)』より。「人口普及率」は「利用率」に「6歳以上の推計人口」を乗じたもの。2016年の利用者(6歳以上)は1億84万人であるから、「ほぼ日本人全員(乳幼児を抜いて)がインターネットを利用している」と言っていい)