(5) 小学校の教科書に出てくる女の子は?

(5-1)小学校1年生で最初に出会う女の子の名前

 

 明治からの小学校の教科書を見てみましょう。1年生が教科書で最初に出会う女の子の名前には[子]がついているでしょうか。

 

戦前の特徴的な教科書8点を見てみましょう。いつから[◯子]さんは出てくるでしょう。

  ア.  1900年ころ(明治後半) イ. 1920年ころ(大正期)  ウ. もっと後

 上の8つに出てくる女性名は次の通りです。

1 1887(検定期)文部省編さん『尋常小学読本 1』お花          5   1927 『尋常小学修身書,巻1』オトキ,オキヌ

2   1904(国定第1期本)『尋常小学読本 巻2』   オナハ                       6   1935 『尋常小学修身書,巻2』竹子

3   1910(国定第2期本)『尋常小学読本 巻2』   オハナ,オトキ            7   1939 (国定第4期本)『小学国語読本 巻1』ハナコ

4 1918(国定第3期本)『尋常小学国語読本 巻1』オハナ                    8   1941 (国定第5期本) 『ヨミカタ 2』花子

 

教科書の女の子は、[おはな]が続きました。そして初めて[◯子=竹子]が出てくるのは,1935(昭和10)年です。この頃に生まれた女性の名前には、すでに80%近く[子]がついています。やはり教科書はかなり保守的なようです。時代の流れに乗り遅れているのです。

 

戦後の国語の教科書はどうでしょう。小学校1年生が最初に教科書で出会う女の子の名前は次の通りです。小学校1年上の教科書からです(年数は発行年。光村, 東京書籍,学校図書,日本書籍,大阪書籍,二葉,信濃教育会,三省堂,教育出版,日本文教の10社63種の教科書から抜き出した)

 名前で多いのは「よしこ」の13回です。2000年以降は、[子]のつく名前はなくなりました。

 

 以上、「教科書の中の女子名」をまとめてグラフにすると、下のようになります。